革靴の種類と選び方を徹底解説。
この記事を読むことで、状況に応じてどんな革靴を選べばよいのかが分かるようになります!
また、シーン別にも最適な革靴を紹介していきますので、革靴の選び方に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
革靴で押さえておきたい基本となる4つのスタイル
まず、革靴を知るうえで知っておきたいのは、4つのスタイルです。
現在、革靴には何十種にも及ぶさまざまな種類がありますが、基本は4つのスタイルをベースにデザインが施されています。
そのため、4つのスタイルを知っておくことで、この革靴はあのスタイルがベースなんだなと、すぐに分かるようになりますので、シーン別に最適な革靴を選びやすくなります。
そこでまず最初に、革靴の基本となる4つのスタイルを解説していきます。
一覧表!革靴4つのスタイル
革靴のスタイルは大きく分けて以下の4つになり、スタイルによって大まかにフォーマルとカジュアルが分かれます。
パット見た際にも分かりやすいので、革靴を選ぶ際の最初の確認ポイントになるので大事ですよ!
※名称をクリックすると詳細解説へ移動します。
革靴の4つのスタイル | |
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①内羽根(うちばね) フォーマル度: |
②外羽根(そとばね) フォーマル度: |
③サドル フォーマル度: |
④スリッポン フォーマル度: |
1. 内羽根(うちばね)
靴ひもを通すレースステイと呼ばれる部分のことを羽根と呼びます。
この羽根が甲と一体化している革靴を「内羽根」スタイルと言います。
19世紀の中頃、英国のヴィクトリア女王の夫君(ふくん)、アルバート公がスコットランドのバルモラル城でデザインしたことが名前の由来で「バルモラル」や「オックスフォード」と呼ばれることもあります。
内羽根は、羽根がV字型に開き、ヒモで締めるタイプです。見た目がシュッとしたスリムなフォルムのため、フォーマルシーンやビジネスシーンに最も適しているスタイルとなります。
サイズ調整という点では、羽根がV字型にしか開閉できないので、若干調整しずらいです。
革靴は履きこんでいくうちに、靴底が沈み込んで、サイズが緩くなることがあります。
最初に羽根が閉じ切ってしまうサイズを選んでしまうと、それ以上きつく締められくなってしまいます。
そのため、試し履きをしてヒモを結んだ際に、羽根が若干開いている状態でも履けるサイズを選ぶようにしましょう!
ポイント
- フォーマルとビジネスに最も適したスタイル
- 羽根が若干開いている状態でも履けるサイズを選ぶようにしましょう
2. 外羽根(そとばね)
靴ひもを通すレースステイと呼ばれる部分のことを羽根と呼びます。
この羽根が甲の部分から飛び出ている革靴を「外羽根」スタイルと言います。
1810年、プロシャ軍のブリュッヘルがブーツ(軍靴)用に考えたと言われており、「ブラッチャー」や「ダービー」と呼ばれることもあります。
外羽根は、羽根が外に開き、ヒモで締めるタイプです。ブーツ用に考えられたということもあり、アウトドア要素が強いことから、内羽根の革靴に比べると若干カジュアル寄りになりますが、フォーマルシーンやビジネスシーンの両方で履いても問題ありません。
また、両方の羽根が外に開くため可動域が広く、内羽根の革靴よりもサイズ調整がしやすいのが特徴です。
ポイント
- 若干カジュアル寄りのスタイル
- サイズ調整がしやすい
3. サドル
サドルは、船員の靴から取り入れられたと言われており、つま先はプレーンで、アッパー(甲)に馬の鞍(サドル)を置いたようなデザインが特徴です。
基本的につま先とかかとの革は同じ色を使用し、アッパーには同系色の革や全く異なる色の素材をコンビネーションするデザインが多く、派手になるためカジュアル向きの革靴です。
フォーマルシーンやビジネスシーンで履くのは避けたほうが良いです。
ポイント
- カジュアル向きのスタイル
4. スリッポン
スリッポンは、ヒモやストラップを使用しないで着脱するタイプです。
ヒモ靴に比べて、履きやすいというのが特徴ではありますが、フィット感の調整ができないのでサイズ選びには注意が必要です。
スリッポンはカジュアル向きのため、ジャケパンなどに合わせるとおしゃれです。さまざまな種類があるので、デザインによってはフォーマルでも履くことができます。
ポイント
- カジュアル寄りだが、デザインによってドレスアップもドレスダウンも出来る
- フィット感の調整ができないのでサイズ選びには注意
革靴の種類!代表的な7つのデザインと選び方
上記で解説したとおり、革靴は4つのスタイルによって大まかにフォーマルとカジュアルの向き不向きが分かれますが、最終的にはデザインによって向き不向きが決まります。
そのためスタイルを最初に確認したら、次に確認するのはデザインになります。
ここでは、代表的な革靴のデザイン7つと選び方を紹介していきます。
1. ストレートチップ
つま先の革の切り替えがストレート(一文字)になっているデザインをストレートチップと言います。
スタイルはフォーマルな内羽根が多く見られますが、若干カジュアル寄りの外羽根もあります。
内羽根のストレートチップは、ビジネスシーンや冠婚葬祭など、いつでも履けるデザインなので、一足は持っておきたいですね!
2. プレーントゥ
つま先に何もないデザインをプレーントゥと言います。
スタイルは、若干カジュアル寄りの外羽根のほうが多く見られますが、フォーマル寄りの内羽根もあります。
ストレートチップに次ぐ、フォーマル度の高いデザインであり、外羽根であっても、ビジネスシーンや冠婚葬祭で履くことに問題はありません。
2. ブローグ
穴飾りがあるデザインの革靴を総称してブローグと言います。
もともとは労働用の靴で、水場での作業で足がむれないようにするために穴をあけていたと言われています。後に狩猟用やスポーツシューズなどアウトドア用の靴として流行り、現在のデザインに至りました。
ブローグには、大きく分けて「フルブローグ」「セミブローグ」「クォーターブローグ」という3つの種類があるのですが、4つの装飾の組み合わせによって名前が変わってくるため、まずは4つの装飾について紹介していきます。
4つの装飾
パーフォレーション
革のつなぎ目に沿って穴があいている装飾をパーフォレーションと言います。
ピンキング
革のつなぎ目がギザギザになっている装飾をピンキングと言います。このギザギザはデザイン性だけでなく、強度を高める意味もあります。
メダリオン
つま先の上に穴飾りをあしらったものをメダリオンと言います。メダリオンでも代表的なのがウイングチップ(W型の模様穴飾り)と呼ばれるものです。
パンチドキャップトゥ
上記で紹介したストレートチップに、パーフォレーションやピンキングが施されているものをパンチドキャップトゥと言います。
それでは、ブローグの3つの種類を紹介していきます。
① フルブローグ
フルブローグは、名前のとおり装飾が多い革靴で、「パーフォレーション」「ピンキング」「メダリオン」の3つ装飾が施されています。「メダリオン」は、ウイングチップ(W型の模様穴飾り)となっています。
革靴のスタイルは、内羽根と外羽根の両方がありますが、内羽根はややフォーマル寄りで、外羽根はかなりカジュアル向きになります。
フルブローグは、装飾が多く見た目も華やかということもあり、基本的にカジュアル寄りの革靴という認識でOKです。
② セミブローグ
セミブローグは、「パーフォレーション」「ピンキング」「メダリオン」「パンチドキャップトゥ」の4つの装飾が施されています。
革靴のスタイルは、内羽根と外羽根の両方がありますが、内羽根はややフォーマル寄りで、外羽根はかなりカジュアル向きになります。
装飾は多いのですが、見た目がシンプルに抑えられているので、フルブローグよりも若干フォーマルよりの革靴です。
③ クォーターブローグ
クォーターブローグは、「パーフォレーション」「ピンキング」「パンチドキャップトゥ」の3つの装飾が施されています。
ブローグの中でもフォーマル寄りの革靴です。
ちなみに、一部の装飾だけが施された革靴もあります
多く見かけるのは、「パンチドキャップトゥ」だけの装飾が施された革靴ですね。
見た目的には、ストレートチップに近いので、かなりフォーマル寄りの革靴です。
このほかにも、ブローグの革靴にはいろいろな装飾の組み合わせがありますが、基本的には上記で紹介した「フルブローグ」「セミブローグ」「クォーターブローグ」の3つを覚えておけばOKです!
4. Uチップ/Vチップ
甲の部分がU字やV字に縫製されている(モカシン縫い)デザインをUチップ/Vチップと言い、スタイルは外羽根が多いです。
Uチップは、カジュアル向きなので、最近は私服のコーデに取り入れる方が多いですね!
Vチップは、Uチップよりもドレッシーな印象になるので、おしゃれなビジネスマンがよく履いていますね!
5. モンクストラップ
靴ひもではなく、ストラップで留めるものをモンクストラップと言います。
「モンク」とは修道僧のことで、彼らが履いていたものが起源とされています。
スタイリッシュなデザインが多いので、ビジネスシーンや冠婚葬祭で履いても大丈夫です!
注意点として、ストラップのベルトは穴が3つくらいしかなく、細かなサイズ調整がしずらいため、選ぶ際にはしっかりと試し履きをするようにしましょう!
ちなみに、ストラップが1本だけのものを「シングルモンクストラップ」、2本あるものを「ダブルモンクストラップ」、ストラップがサイドにあるものを「サイドモンク」と言います。
6. ホールカット
一枚の革だけで作られている革靴をホールカットと言います。
革のつなぎ目や装飾などが一切なく、見た目がとてもシンプルなので、フォーマル寄りの革靴です。そのため、ビジネスシーンや冠婚葬祭で履ける革靴です。
7. ローファー
靴ひもはなく、足をそのまま入れるだけで履ける革靴を総称してローファーと言います。
ローファーとは、怠け者という意味があり、スリッパのように簡単に履けることが名前の由来です。また、アメリカンカジュアルシューズの代表で、圧倒的にカジュアル寄りになるので、スーツに合わせるよりも、ジャケパンスタイルに合わせるほうが良いです!
注意点として、サイズ調整ができないので、選ぶ際にはしっかりと試し履きをするようにしましょう!
ちなみに、ローファーには、大きく分けて「コインローファー(ペニーローファー)」「ビットローファー」「タッセルローファー」という3つの種類があります。
① コインローファー(ペニーローファー)
コインローファーは、甲の部分にコインの挟めるストラップがついているのが特徴です。そのため、「ペニーローファー」とも呼ばれます。
② ビットローファー
ビットローファーは、甲の部分に馬具を模した金属の装飾が施されているのが特徴です。
③ タッセルローファー
タッセルローファーは、甲の部分にタッセル(房飾り)が施されているのが特徴です。
シーン別の最適な革靴はコレ!
革靴のスタイルや種類を紹介してきましたが、シーン別に最適な革靴が知りたいところですね!
そこでここでは、シーン別に最も適している革靴を紹介していきます。
ビジネス、冠婚葬祭いつでも履くならストレートチップがおすすめ
色が黒で、スタイルは内羽根、デザインはストレートチップの革靴は、最もフォーマルな革靴です。そのため、ビジネスシーンや冠婚葬祭など、いつでも履ける靴を探しているなら一番おすすめです!
普段スーツを着用しない方でも、一足は持っておきたい革靴です!
カジュアルでおしゃれに履くならプレーントゥ、Uチップ、ローファーがおすすめ
ジャケパンなどカジュアルシーンで、おしゃれに履くなら、プレーントゥ、Uチップ、ローファーなど、3つのデザインがおすすめです!
① プレーントゥ
デザイン的に堅苦しい印象がないので、プレーントゥを一足もっておくことで、コーデの幅を広げられますよ!
② Uチップ
Uチップは、ジャケパンに合わせるとおしゃれなので、上品で大人のコーデに合わせたい方におすすめです!
③ ローファー
足元がすっきりとした印象になるので、きれいめコーデに合わせるとおしゃれですよ!オフィスカジュアルOKな職場であれば、オフィスカジュアルに取り入れてもおしゃれですね!
カジュアルコーデに合う革靴については、下記の記事で詳しく紹介していますので、併せてご覧ください。
カジュアル革靴の詳細記事はこちら
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カジュアルコーデにおすすめのおしゃれなメンズ革靴ブランド14選!私服に合わせる選び方も解説
まとめ:基本的な4つのスタイルを知っておくとシーン別に選びやすいです!
革靴の種類と選び方を紹介してきました。
もう一度シーン別におすすめの革靴をまとめておきます。
ポイント
- ビジネス、冠婚葬祭いつでも履くなら色は黒で、内羽根のストレートチップが良い
- カジュアルでおしゃれに履くならプレーントゥ、Uチップ、ローファーがおすすめ
革靴には、さまざまな種類がありますが、選ぶうえで知っておきたいのは、基本となる4つのスタイル(内羽根、外羽根、サドル、スリッポン)です。
4つのスタイルを知っておくことで、パット見た際にフォーマル寄りかカジュアル寄りかが判断でき、シーン別にどんな革靴が適しているのかが分かるようになります。
また、そういった知識を知っておくことで、革靴選びが楽しくなりますよ。
まずは、4つのスタイルを覚え、ぜひ革靴選びを楽しんでください!
以上、革靴の種類と選び方の紹介でした。
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